Androidはワンツーパンチ 三歩進んで二歩下がる

プログラミングやどうでもいい話

研究と考えたらどうかね

今、「カッコウはコンピュータに卵を産む (クリフォード・ストール) 」という本を読んでいます。

この本を読むきっかけになったのはようてんさんのこのツイートでした。

早速電車で読んでいますがとっても面白いです。

主人公は天文学研究のかたわら、新米のシステム管理者となるが、コンピュータがハッカーに侵入される。
研究所のコンピュータを足場に、国防総省のネットワークをくぐって各地の軍事施設や基地のコンピュータに侵入し、陸軍のデータベースを読みあさって、CIAの情報にまで手をのばしている・・・
あたりまで読みました。
20年前に書かれた本ですがコンピュータセキュリティに興味のある人は読むべきでしょう。

でも今日書き留めておこうと思うのはその中の数ページほどの一節です。
なんかいいなーって思ったので。

主人公がハッカーを追跡するさなか、ノーベル物理学賞受賞のルイスから助言を受けます。

ハッカー追跡を一つの研究と考えたらどうかね。」

「本当の研究というものは、どれだけ金がかかるか、時間をくうか、結果がどう出るか、はじめからわかるわけがない。
一つだけ言えるのは、まだ人が足を踏み入れたことのない世界があって、そこへ行けば何か発見のチャンスがあるということだ。」

「警官になろうとしてはだめだ。科学者に徹するのだよ。接続経路や、ハッカーの手段や、システムの弱点を研究したらいい。
物理学の法則にしたがって考えを進めることだ。
そうして、問題解決の新しい方式を見つけるのだな。
いずれデータをそろえて結果を発表すればいい。証明可能な事実だけを信じること。
ただし、ありそうもない解決を頭から捨ててかかってはいけない。偏見を排して、常に公平にものを見ることが大切だよ。」

「行き詰まりというのは気持ちの問題でね。君は<立ち入り禁止>の札を見ただけで引き返したことがこれまでに一度でもあるかな?
壁にぶつかったら回りこめばいい。回りこめなかったら乗り越える。
それでもだめなら、下を掘ってくぐり抜けるまでの話だ。
とにかく、投げ出してはいけないよ。」

「上の人間が何と言おうと、そんなことはどうだっていい。金のことなんか心配するな。誰も研究に金を出しゃあしない。
感心があるのは結果だけだ。」

「あるいは、ただひたすら、ハッカーを追いかける手もあるな。それには、ハッカーより速く走らなくてはだめだ。
研究所のお歴々よりも速く走ることだ。
人を頼ってはいけない。自分だけが頼りだよ。上役の機嫌は損ねないようにすること。
だといって、縛られてしまってはしょうがない。静止標的にはならないように、そこはうまくやるのだね。」

そうやって人一倍好奇心の強い彼はノーベル賞をとりました。

私も40過ぎのパートのおばさんがプログラムの勉強をはじめたらどうなるか、という研究ととらえてみようかと思いました。
物理学の法則にしたがってって言われましても何のことかわかりませんが(;´∀`)